今までグループディスカッションをしてきた中で、もらったフィードバックやアドバイスなどをまとめてみました。
メモ帳を整理したいので。
主に内定者の方や、コンサル、セミナー、インターンなどで教えてもらったことです。
GDの内容としては、企業戦略的なものを想定しています。
絶対的普遍的なものではないでしょうが、少しは役に立つかなと思います。
【※注意※】
この内容が絶対的正しいということではないので、ひとつの参考としてお読みください。
内容としては、主に4つです。
Ⅰ.前提
Ⅱ.評価基準
Ⅲ.議論の流れ
Ⅳ.小手先のテクニック
Ⅴ.模擬GD
グループディスカッションの入門編のようなものです。
大体のGDの方法がわかってもらえればと思います。
Ⅰ.前提
①勝ちパターンを見つける
リーダー型
サポート型
キレ者型 etc...
リーダー経験がないのに、リーダー型をするのはやはり無理があります。
書記をしながら意見をまとめ、議論を修正するサポート型など自分にあったスタイルを見つけると良いと思います。
あと、企業ごとにGDで見ている部分は違うので、その企業の面接官の気持ちになって(難しいですが)評価ポイントを事前に考えておくと良いです。
その辺りは、企業研究の成果の見せどころとも言えそうですね。
②論理的・戦略的思考
根拠を持って発言(ファクトg経験ベースでも良い)
MECE、why so, so what, ロジックツリー、グルーピング...
といった思考のフレームワークは覚えておいたほうが良いでしょう。
しかし、個人的な感想としてはロジカルシンキング本はあまり役に立ちません。
大体のロジカルシンキング本が表層をさらっと述べたり、用語の解説に留まっているためGDのときにどのように使えば良いかわからないからです。
論理的思考思考の基礎を学んだ上で、先輩方に頼んで模擬GDをしてもらうとイメージもでき良いと思います。
あと、マーケティングのフレームもですね。
3C/4P分析、SWOT分析、あたりは頻出フレームです。
使う必要はないですが、他のメンバーが使い出したときに備えて一応覚えておいた方がいいです。
ただ、何でもフレームワークを使えば良いという訳ではないので、問題解決に役立つ時にのみ使うようにしないとミーハーな学生と思われるそうです。
―参考サイト―
MECE
Why so, so What
ロジックツリー
グルーピング
③全員がどのステップにいるか確認する
分析の段階なのに、具体化の話を先走ってする人もいるので注意しましょう。
Ⅱ.評価基準
―グループディスカッションで評価される3能力
⇒どの能力を重視するかは業界/企業によって異なります
【ファシリテート能力】
⇒議論を進行する能力/リーダーシップ
・適切に議論を進行できるか
・横道にそれた議論を正しく修正できるか
・時間内に結論を出すことができたか
・行き詰まった時に方向性を示せる
・全員が意見を言えるようにうまくコントロールする
・タイムマネジメントをする
【コミュニケーション能力】
⇒コミュニケーションの基礎
・適切なコミュニケーションが取れるか
・協調できているか
・他のメンバーに対し気配りができるか
・人の意見を聞くことができる
・人の意見を頭ごなしに否定しない
・人格を否定するような発言はしない
・他人の役割を支援する
・身振り手振りを使って話す
【思考力】
⇒論理的思考/発想力
・的を射たアイデアを出せるか
・質問に対して正しく的確に回答できる
・論理的かつ簡潔に結論→理由→根拠という流れで話せる
・問題を構造化できているか
・対立する意見の本質的な問題を発見できるか
・経済・経営の常識は知っているか
・思考がタフであるか
―役割別
書記は決めたほうが良いでしょう。最初はタイムキーパーも決めたほうが無難。
・ファシリテーター/リーダー
⇒一番目立てるのがこの役割。的確に課題を設定し、議論の流れを決めていかないといけないので、思考力も必要となるためこの役割を買ってでたはいいが経験不足だと自爆する可能性も。
・書記
⇒サポート的役割だが上手にこなせば、高評価も狙える役割。すべての情報が集まってくるので、議論の流れを把握しみんなの意見をまとめやすいのが利点。グイグイと議論を引っ張るのではなく、議論の方向性を修正していくのがポイント。
・タイムキーパー
⇒時間配分を考え議論を導く役割。軽視されがちな役割だが、使いようによっては非常に大きな武器になる。最初、議論の主導権を握れなくとも、時間配分を武器に主導権を奪取することもできる。
・その他
⇒もし上のどの役割でもない場合、目指すは鋭い意見・豊かなアイデアを持つキーパーソンになること。蜂の一刺しのごとく意見で、思考力をアピールするのが吉。サポートに回っても覚えてもらえないことも…。
Ⅲ.議論の流れ
基本的には、
整理→構造化→仮説→検証という形になります。
GDの場合は、これにさらにいくつかプラスされます。
①タイムマネジメン [Time]
GDは時間が30分程度などかなり短いことが多いです。
限られた時間の中でアウトプットを出すにはタイムマネジメントが重要となります。
そのため、最初にアウトラインを示し時間配分を決めてしまうのが良いでしょう。
時間をかけずにさっさと決め手しまいましょう。
②定義・コンセンサス [Consensus]
意外と他人と自分の想定していることが、違うということもあったりします。
そのため、定義などを確認しておくのが大事です。
確認することは、主に以下の3つです。
【目的】
目的の確認と定義をします。
売上アップでも、具体的にどの場所で、どれくらいの期間、どの程度の予算でといった具合に決めていきます。
ここである程度絞れていたほうが、議論が楽になる気がします。
【言葉】
曖昧な言葉が使われている場合は、しっかり定義しておくべきです。
例えば、公共財といった場合、みんなの定義は少しずつ異なっていて、議論を進めていっても何か噛み合わないといったことがあります。
【クライアント】
売上アップなどの企業戦略の場合は、誰に頼まれてやっているのかということも決めると良いです。
例えば、観光を対象としたとき、企業に頼まれたのか自治体に頼まれたのかで、微妙にニュアンスが異なってくると思います。
クライアントが誰で、自分たちはどのような立場なのかは意外と重要です。
③分析 [Analysis]
基本的には、現状とゴールを比較してそのギャップを埋めるための分析です。
そのためには、問題のボトルネックがどこにあるか探さなければなりません。
あるコンサルの方は、「ボトルネックとソリューションは表裏一体だ」と言っていました。
みんなから意見を出してもらい、それを要約して早い段階で議論の方向を見つけ全員がその方向に進まないと、時間切れになってしまいます。
よくロジックツリーを使ったりしますよね。
④具体化 [Plan]
問題が見えたら、次は実際の具体的な打ち手を考えるステップです。
これが一番楽しいステップですよね。
ちゃんと与えられた課題に沿っているか確認することが大事です。
⑤検証 [Check]
時間があったら具体化したプランの検証まで行うとなお良いです。
P&Gのセミナーで行っていた「3s」なんかが使えるかなと思います。
Selective(選択と集中)
選択と集中ができているか。あれこれと詰め込みすぎても意味はありません。
Sustainable (持続性)
そのプランに持続性はあるか。一瞬だけ売上があがっても意味はありません。
Sufficient(十分性)
そのプランで十分に目的を達成できるか。一番忘れがちなところだと思います。
売上2倍と言われているのに、どう考えても2倍は達成できないようではダメです。
⑥最終案 [Act]
最終案、GDのアウトプットです。
あとは自信満々のドヤ顔で発表するだけです。
アウトプットに対し、鋭い質問をしてくるところもあるので心の準備を…
Ⅳ.小手先のテクニック
・話さない人にふる
・数字で答える
Ⅴ.内定者の方による模擬GD(追記)
前に見せていただいた、模擬GDをメモしたものが出てきたので、追記。
大雑把にしか書いてないですが…
フェルミ推定と問題解決がセットになったパターンなので、上の流れとは若干違いますが、大筋としては同じです。
「羽田空港の一日の利用者数を推定せよ。その後、利用者増加のための施策を提示せよ。」
1.解決フローと前提条件の決定
2.論点の分解
利用者
―飛行機利用者
―その他(見送り客)
3.分解した要素の推定
利用者←便の数から推定
利用者=(搭乗可能数×搭乗率滑走路数)×便の数←時間帯も考慮
⇒フェルミ推定終了
4.利用者増加の施策
―アプローチ
a. 利用者を他の輸送機関から奪う
b. 全体の利用者を増やす
c. 移動手段以外のアプローチ(商業施設としての)
―議論の内容
・便を増やすのは、現状困難
・新幹線などとの競合
・SWOT分析
・搭乗手続きが面倒である(利便性が弱い)
・商業施設の誘致
5.施策の提示
「既存業務の拡大」⇒『チェックイン時間の改善(利便性のアップ)』
6.検証
・競合に対して、それで十分なのか
7.現役コンサルタントの方のフィードバック
・フェルミ推定は問題なし
・クライアントや、具体的な数値目標が欠落
教えてもらったことは以上のようになります。
自分自身そんなにGDが得意というわけでもないので、このFBには助けられました。
とは言え、GDは「運」という要素もあるので、どうしようもないところもありますよね…
個人的には自分がゼミで勉強していることもありますが、上の論理的思考でも述べた因果関係の原則などを知っておくと良いと思います。
「創造の方法学」というゼミ生のバイブルがあるので、それがオススメです。
よくあるロジカル・シンキングの本よりいいと思います。
…これでやっとメモを捨てることができそうです。
高根 正昭
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