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2012年1月23日月曜日

[メモ] 北九州市と福岡市はシリコンバレーになれるか?なれるかもしれない。

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今回は自分の卒論テーマであった北九州市に関してです。

北九州市は、1963年に五市の合併により政令指定都市として誕生し、高度経済成長の終焉と共に衰退していきました。
衰退の主な原因としては、基幹産業の重厚長大産業からの産業転換の失敗にあります。

同じ重厚長大型であった川崎市は、サイエンスパークの建設などで知識集約型産業への転換に成功しています。

今もその衰退傾向は変わらないのですが、これから面白くなっていきそうな都市です。
今回はその面白くなっていきそうな理由を4つ紹介したいと思います。


1.北九州市学術研究都市
北九州市ルネッサンス構想の四大プロジェクトのひとつとしてスタートしたのが、この北九州市学術研究都市。

現在、第二期事業を進めており2014年に完了を予定。
4大学、12研究機関、62企業が集まっており、半導体、環境事業などが集積しています。
このような、産学官連携はまだまだ日本では遅れているので、これからに期待が持てます。

2.エコタウン
北九州市エコタウンは、環境首都を標榜し国の認可を受け進められている事業。

企業団地の総合環境コンビナート響リサイクル団地と、実証研究エリアからなる。
すでに、新日鉄、三井物産、東芝、パナソニック、日立製作所、ソニー、三菱電機、シャープ、三洋電機、富士通ゼネラルなどが進出しています。

北九州市学術研究都市で、教育・基礎研究を、
実証研究エリアで、技術・実証実験を、
総合環境コンビナート響リサイクル団地で、事業化を


という、北九州方式3点セットで、高付加価値産業への転換が目指されています。
エコ関連事業は、日本の強みのひとつなのでこれからが期待されます。

3.福岡都市圏の確立
今地方では、政令指定都市などを中心としたブロックが形成されつつあります。
その中でも、特にブロック化の傾向が強いのが九州です。

高度に都市化された福岡市と、学術研究の北九州市。
両市の距離は電車で1時間程度と比較的近いので、うまく住み分けてシリコンバレーのように発展していくかもしれません。

4.アジアのハブ
北九州市は、"未来をひらくアジアの学術・研究都市"を目指しています。
アジアとの距離の近さと空港、港を有しているという強みをいかして、現在までアジア圏と様々な交流をしてきました。

北九州市は公害を克服した都市として有名なので、現在公害に苦しんでいるアジア各国から視察団が多く訪れています。
北九州市エコタウンへの海外視察者が約80万人に達するなど、海外からの評価は高いです。

先に述べた学術研究都市とエコタウンが成功すれば、北九州市のアジアでのハブ化は加速するでしょう。


北九州市は今でも多くの問題を抱えています。
ハコモノ行政の失敗、財政、高齢化、都市機能の集積の遅れなどいくつも挙げられます。

それでも、この北九州市の一連の取り組みは評価に値すべきものであります。

今はまだ投資段階なので回復には遠いですが、何年後かにはアジアのシリコンバレーとなっていることも十分ありえるでしょう。



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2011年12月20日火曜日

[Web] Quoraで見る知らなきゃまずい!2012年のトレンド予測

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もうそろそろ今年も終わり…ということで、気になるのは来年はどうなるのかなということです。
そこで、Quoraの2012年のトレンドについての質問から、ほとんどよく知られていることばかりですが7つピックアップしてみました!

■NFC
Near Field Communication=近距離無線通信、日本ではFelicaなんかが有名ですね。
GoogleがGalaxy NexusでNFCをサポートし、Appleも新型iPhoneに搭載するという噂が出ています。

お財布ケータイのような決済が可能になるのはもちろん、NFCが普及すれば、オンラインとオフラインの距離が縮まることになるでしょう。
O2Oマーケティングがしやすくのは、間違いないように思います。

■Inbound marketing
または、コンテンツマーケティングですね。
ブログや動画などのコンテンツを提供し、それによって集客を行うというマーケティング手法。

例としては、みんなの美術館アトコレアトコレマガジンというブログを提供しています。
あなたが絶対知らない名画トリビア10選【美人過ぎる日本画家】松井冬子さん特集【画像集】 など、アートに興味ないような人でも興味をもてるような記事はうまいなと思います。

インバウンドマーケティングは他のマーケティング手法に比べて、ファンがつきやすいのが大きなメリットではないでしょうか。
このインバウンドマーケティング完全ガイドという記事がインバウンドマーケティングについて詳しいです。

■Music
2011年はTurntable.fmが音楽体験を大きく変え、Google Musicもスタートしました。
ほかにも話題になった音楽系サービスを挙げるとキリがないです。

次の音楽アプリのトレンドはブログにまとめているので、良かったら参照してください。
[Web] 今最も求められている音楽アプリ12コ


■TV
テレビもこれからオンライン化・ソーシャル化が進んでいきそうな分野です。
すでに、GoogleTVやAppleTVが出てきているほか、アプリでもコレミタなどがリリースされています。

TVを見ながら友だちとコメントし合ったり、さらに洗練されたTVとWebを使った企画なんかも増えてきそうですね。

■Game
ソーシャルゲームがさらに成長するのはもちろんのこと、ゲームと広告やコマースを連動させるなど、O2O的な事例がさらに増えていきそうです。

"Social gaming will go beyond Badges and start influencing people's behavior in the real world."
このように書かれていましたが、まさにその通りになるのではないかと。

また、ゲームから派生したゲーミフィケーションもサービス設計において、より一般的になるでしょう。
ゲーミフィケーションに関してはこちらをどうぞ。
Gamificationの基本5要素
押さえておきたいGamificationの3つの心理学的解釈


■Subscription
アメリカではすでに過熱気味な定期購読型モデルのコマースです。
代表例は、コスメサンプルを月$10で売るBirchboxでしょうか。

日本ではまだまだ浸透していないですが、ユーザーの継続率が高いという点で注目されています。

■Handmade/DIY
ハンドメイドの商品を売るサービスで、代表例としては、Etsyなどがありますね。
他にも職人さんの作品を売る、アーティストが作品を売るなどいろいろなバリエーションが考えられます。

日本でも、この手のサービスは増えてきて欲しいなと思います。
世界に広がる”Etsy”モデルという記事が詳しいです。


全体的には、モバイルの重要性が高まっていき、モバイルに特化したサービスが増えるという意見が多かったです。
あとは、パーソナル化もやはり大きな波の様子。個人に最適化されたというよりも、マスから個人へと意味合いが強い印象です。

また、2012年の国内スタートアップトレンド予測 (5 Startup Trends of Japan 2012)という記事も参考になります。

来年のWeb業界も楽しみです。

<参考>
What are the Top 5 e-Commerce Trends in 2012?
What are the top B2B marketing trends for 2012?
What will be the top 5 trends in social media for 2012?
What will be the leading trends & technology for 2012?




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2011年12月18日日曜日

[Web] 次のIPO予備軍?投資家に注目されているスタートアップ4つ!

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SecondMarketとゴールドマン・サックスから注目されているスタートアップの中から、これは面白いと思ったものをいくつか紹介します。*1
まさに次のIPO予備軍たちとも言えるかもしれないスタートアップです。

Shopkick



Shopkickは、ショップにチェックインするとポイントがもらえるというサービスです。
Foursquareやその他の位置情報サービスとの違いは、「ユーザーが何もしないで店に入るだけ」で特典を受けられることです。
GPSを使ったジオフェンシングなどとも違い、ショップに「shopkickシグナル」という技術が設置されているそうです。

また、最近VISAと提携しBuy & Collectと呼ばれる新しいプログラムの提供を始めました。
これは、消費者がVisaのクレジットカードを使って、商品を購入するとポイントを獲得できるようになるというものです。

すでに、BestBuyなどと提携しており、これからますます拡大していくことが予想されるスタートアップ。
なにより、ユーザーのポイントカード体験を大きく変えるという意味で素晴らしいサービスだと思います。

23andMe



1.オンラインでキットを購入
2.キットを使って、チューブの中につばを入れてキットを23andMeに送る
3.6-8週間をかけてラボがDNAを解析する
4.オンラインで結果を確認する
疾患のリスクや、薬の副作用反応、先祖の系統などを知ることができるそうです。

現在は、$99(月$9の1年間契約が必要)か、$207のギフトキットがあるようです。
契約している間は、月毎に情報がアップデートされるようですが、詳しいことはわからなかったです。

究極の個人データとも言えるDNAをこんなに簡単に調べることができるのはすごいですね。
遺伝的な疾患のなりやすさなどを把握できるというのは、面白いなと思い紹介。

Pinterest


もうそのUIの秀逸さから知っている人も多いかと思うPinterestです。

機能自体はいたってシンプルです。

1.オンライン上で気に入った画像をブックマークレットを使いピン
2.ピンされた画像はボードごとに見ることができる
3.友だちをフォローする
4.他の人のボードで気に入ったものがあればピンする

今急成長しており、「comScoreによればPinterestのアメリカ国内における10月のページビュー数は4億2100万件だったとのこと。これは6月の2000万から2,000パーセントの成長を達成したことになる」*2そうです。

これが素晴らしいと思う理由は、なんと言ってもUIが優れていてコンテンツとして楽しめるという点です。
はてなブックマークがお気に入りサイトを登録できるということ以上に、他のユーザーのお気に入りを見ることができるという点で流行ったのと似ています。

画像をオンラインで保存するという特別新しくもないアイデアに、ひと捻り加えることで素晴らしいサービスにした好例ですね。


ZocDoc


ZocDocは病院を予約するサービスです。
他にも、ユーザーによる医師の評価も見れるというのが、便利ですね。
医療の電子化が進むアメリカらしい優良スタートアップです。

2007年にローンチし、最近まさにGSから2500万ドルの出資を受けたそうです。*3

待ち時間や無駄が目立つ医者での待ち時間を減らすシンプルで素晴らしいソリューションだと思います。



以上、4つのスタートアップが特に気になるスタートアップです。


GREEの田中良和社長曰く、「波が来たときに沖にいないと負け」
上杉周作さん(@chibicode)曰く、「イノベーションというのは"未来にある普通のものを作ること"」

ここで紹介したスタートアップはすでに大きな波となりつつあるので、今必要なのは次の波がどこから来るか見極めることなのだと思います。
未来のビジョンや先見性を持つというのは、語られている以上に大事なことなのだろうと。

そして、次のNext Big Thingを狙うスタートアップたちは虎視眈々と新しい技術を吸収していっているのでしょう。

*1 ゴールドマン・サックスが、最有力IPO候補と考えるスタートアップ一覧
*2 一般および投資家から熱い注目を集めるPinterest、6月比2,000%のページビュー数を達成
*3 米ZocdocがGSから2500万ドル出資受ける