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2011年11月19日土曜日

[メモ] 押さえておきたいGamificationの3つの心理学的解釈

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自分のためのメモを兼ねて、最近流行りのGamificationに関して。

いろいろな分野で使われているGamificationだけれど、
どのように解釈すれば良いかを心理学的に見てみます。



■人間の16の基本的な欲求
スティーブン・リースという心理学者が主張する16の基本的欲求説から。
このような欲求を満たすものとして、Gamificationを理解しようというものです。
ほかにも欲求に関しては、マズローの欲求段階説が有名ですね。

―16の基本的な欲求
・力:他人を支配したいという欲求
・独立:人に頼らず自力でやりたいという欲求
・好奇心:知識を得たいという欲求
・承認:人に認められたいという欲求
・秩序:ものごとをきちんとしたいという欲求
・貯蔵:ものを集めたいという欲求
・誇り:人としての誇りを求める欲求
・理想:社会正義を追求したいという欲求
・交流:人と触れあいたいという欲求
・家族:自分の子供を育てたいという欲求
・地位:名声を得たいという欲求
・競争:競争したい、仕返ししたいという欲求
・ロマンス:セックスや美しいものを求める欲求
・食:ものを食べたいという欲求
・運動:体を動かしたいという欲求
・安心:心穏やかでいたいという欲求

この中でも、力、好奇心、承認、貯蔵、交流、地位、競争、安心はGamificationにとって重要なものです。

また、プレイヤータイプ別に分けると以下のように関連しています。

アチーバー:貯蔵、地位
エクスプローラー:好奇心、独立
ソーシャライザー:交流、承認、ロマンス
キラー:力、競争



■自己決定理論
エドワード・L・デシ教授が提唱した理論で、SDT(Self Determination Theory)と言われています。
これは、動機を外発的/内発的と区別し、外発的動機付けは動機として弱いということを説明しようとするものです。

―外発的動機付け
他人などの外からの動機づけを、外発的動機づけと言う。
典型的なものとしては、金銭による動機づけなどが挙げられる。

―内発的動機付け
自分で自分を動機付けることを、内発的動機付けと言う。
外発的動機付けよりも、創造性、責任感、健康な行動、変化の持続性といった点で優れている。

また、内発的動機付けによってはじめたこと(手伝い、ボランティアなど)でも、あとから外発的動機付けがされると目的が変化し、内発的動機が弱まってしまうことがあります。

内発的動機付けの基本的な要素としては、自律性(=自己決定)、有能感(=できる感覚)、関係性(=周囲との関係)などが挙げられると言われています。



■フロー理論
フロー理論は行動心理学者ミハイ・チクセントミハイが提唱した、人はどんな時に一番楽しさを感じるのかということについて説明したものです。



縦軸:チャレンジ
横軸:スキル

フロー=没入して夢中になっている状態のことを言います。
上の図はどのようなときに人はフロー状態に入るのかを示したものです。

チャレンジとスキルの高低によって大きく4つのパターンに分けられます。

チャレンジ×スキルFlow[フロー状態]
チャレンジ×スキルAnxiety[不安]
チャレンジ×スキルBoredom[退屈]
チャレンジ×スキルApathy[無関心]

つまり、自分にとってちょうど良い乗り越えられそうな壁のときに一番人は夢中になるということです。
これは、ゲームバランスを考える上でも非常に重要だなと思います。

さらに、このフロー状態に入るための要素として8つ挙げられています。

1.達成できる見通しのある課題
2.自分のしていることに集中している
3.目標とするべきことが明確である
4.作業からフィードバック(手応え)がある
5.ストレスや欲求不満がない
6.状況や活動を自ら統制しているという感覚
7.自己意識は希薄になる没入する
8.時間の経過の感覚がかわる

この中でも特に、1~6はゲームデザインのなかでも重要な項目だと思います。




上のような理論を元に、目的・目標→行動→達成というプレイサイクルをデザインすることが重要となります。
ゲーミフィケーションという言葉は「ゲーム」と入っているために遊び的な印象を持ちますが、実際は行動をモチベートするための心理的な要素を明らかにするフレームワークなのだと思います。



次回は、ゲーミフィケーション勉強会で学んだことのざっくりとしたまとめを書いてみます。


(参考)
16の基本的な欲求
gamificationの理論的背景:自己決定理論
gamificationの理論的背景:フロー理論
ソーシャルゲームはなぜハマるのか ゲーミフィケーションが変える顧客満足

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