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2011年3月27日日曜日

[メモ] 悪いのは原発?東電?~火力と原発の比較~

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今回の震災に伴った、原子力発電所の是非。

しかし、その議論の多くが「原発に問題がある」のか、「運用体制に問題」があるのかという二つの議論を混同しているように思います。
これはよく言われる、「ナイフが悪いのか、殺人者が悪いのか」という話と似ていると思います。

リスクをヘッジでき、安全かつ効率的な運用ができるのであれば、原発をただ非難するのはおかしい気がします。
そこで、その今回は「原発自体の是非」を問うために、各発電方式、特に火力発電との比較を調べてみました。

【基本情報】

発電方式
発電単価
(円/kWh
メリット
デメリット
水力
8.213.3
燃料不要/エコ
ダム/供給量の調整不可
火力(石油)
10.017.3
調整可/効率高
燃料が有限/CO2/海水温上昇
火力(LNG)
5.87.1
調整可/効率高
燃料が有限/CO3/海水温上昇
火力(石炭)
5.06.5
調整可/効率高
燃料が有限/CO4/海水温上昇
原子力
4.86.2
発電単価が安い
放射性物質
太陽光
46
燃料不要/エコ
調整不可/発電単価が高い
風力
1014
燃料不要/エコ
調整不可/騒音
*1,*2.*3

現在の主な発電方式を比較すると以上のようになります。

大別すると、燃料型発電と環境型発電?に分けられると思います。
燃料型は、効率が良いものの環境への悪影響が懸念。
環境型は、環境には優しいものの効率が悪く供給量調整がしにくい。

どちらも一長一短です。
これはどちらが良いという話ではなく、両方のバランスをうまくとることが重要でしょう。
環境型は技術進歩もあり、これからの期待が大きいですが、供給量調整がしにくいので、当分の間は燃料型との並立という形でないと現実的ではないと思われます。

【原発と火力の比較】
基本情報で簡単にまとめましたが、原発と火力発電の比較に移りたいと思います。
まず、簡単な流れとしては世界的なCO2削減の取り組みとして、大量にCO2を排気する火力発電の代替として原子力発電は建設されてきました。

国際的に原発はつくられないようになっているという話もありますが、東南アジアには原発が導入予定であった国が多くあります。

次に簡単にメリットとデメリットを比較してみます。

―原子力発電
メリット
・CO2排出量が少ない
・発電単価が安い
・火力より環境負荷が大きい

デメリット
・安全性の問題
・放射性物質の廃棄
・立地場所の選定
・発電出力の変更が容易でない

―火力発電
メリット
・発電効率が良い
・発電単価も比較的安い

デメリット
・CO2排出量が多い
・海水温の上昇
・石油での発電は中東情勢等に影響されやすい

以上のようになっており、これまた一長一短。
地球温暖化にCO2が影響しているかどうかは置いておくとしても、やはり燃料を燃やし続けるのは環境に良くないのは確かであると思います。
個人的には温暖化自体はそんなに危惧していなく、むしろ寒冷化よりはいいじゃんってスタンスですが。
一方の、原発は影響は局所的であるが、安全性の問題がつきまといます。

原発に関しては、事故が起きるどうかが不確実性のもとにある、言わばブラックスワンではないでしょうか。
すると、何が大事になってくるかと言うと、簡単に言えばリスクをヘッジすることだと思います。
つまり、リスク許容量を超えない範囲での原発での発電を行えば良い気もしますが、人命に関わるのでそこまで簡単な話ではないかもしれません。
実際に、リスクをヘッジしきれるのかというと疑問が残るのもわかります。

今回のM9.0の地震で事故が起きた福島原発を見れば、「原発のリスクをヘッジするなんて不可能だ!」となるのもわかります。
しかし、今回の事故が何故起きたのか現実を見てみるとまた違った側面も見えてきます。

①築40年の耐久年数経過寸前であった
福島原発は当初十数年と言われた耐久年数を延長させ、耐久年数40年ギリギリの状態でした。
廃炉にするのが難しく、建て替え等も原発反対派など政治的な問題もあり進めることができないでいました。

②広範囲のインフラの損壊で外部電源が得られなかった
福島原発事故でも格納容器の強度に信頼を寄せる専門家は多く、その強度の問題よりも周辺設備の脆弱性の問題のほうが大きいかもしれないそうです。
今回も地震の安全装置は作動したが、停電後のバックアップ用発電装置が津波で被害を受けたことによって問題が発生した可能性が高いそうです。
*4

【まとめ】
以上のことをまとめると、「悪いのは原発ではなく、その運用体制」ではないでしょうか。

以下はあくまで技術的なことを知らない文系人間が、事実をもとに考えたことです。

確かに、原発の事故の可能性はどこまでもあり続け、テロなどの防衛対策上でも問題があるという指摘もされています。

だが、福島原発の事故に関してが、原因はどちらか言うと「人為的なもの」が大きいのではないでしょうか。
運用体制に問題があるのは先ほど述べた通りであり、さらに津波対策も危機管理が甘かったことが原因です。

同じ東北の太平洋沿岸に立地する女川原発は福島原発よりも震源地に近いにも関わらず、被害はなく逆に避難所として開放している。*5

運用体制と危機管理ができないようならば、原発を全て廃炉にすべきですが、この事故が教訓となり改善することも可能です。
いくら想定外が起こると言っても、M20の地震などが起こる可能性はほぼないであろうし、あったとしたらまず原発どころの騒ぎではありません。

あくまで核融合炉や太陽光発電などが進歩するまでの「つなぎ」として、原発は必要であると思います。
よく調べもしないで憶測で「原発怖い、廃止しろ」というのには正直かなり疑問です。

もし、本当に危ないのだとしたら、何がどう危なく、そのリスクヘッジはできるのか否かをファクトに基づいて説明してもらえるとありがたいです。
コメントお待ちしております。

+追記
Twitterにて、非常に興味深い資料を教えていただきました。
原発がどんなものか知ってほしい
真偽のほどは調べようもありませんでしたが、内容は衝撃の事実です。

これによると、机上の理論では原発の安全性を確保するのは可能かもしれないそうです。
しかし、現場に関わるのは未熟な技術者と名ばかりの検査官であり、ヒューマンエラーが絶えないそうです。

そうすると、やはり運用体制を改善しない限りは、やはり原発はこれ以上増やすべきではないと思います。
原発には利権やら政治的思惑が入り交じり、健全とは言えない状態であるという批判もあります。

さらに、これからTwitterで拡散しそうな話題に「もんじゅ」の事故があります。
夢の高速増殖炉「もんじゅ」が福島第一原発よりヤバい状態になりそうで責任者が自殺してたんだけど知ってた?

これはこのニュースを受けて立てられた2chのスレだと思います。

こちらは情報不足のため、真偽やどれほど危険な状態なのかは現在不明です。
もんじゅの事故に関しては以下のニュースからどうぞ。
作業ミス続出に「落下事故」 「もんじゅ」運転再開できるか
さらに、ナトリウム漏洩事故に関しては、「もんじゅ」事故と原因究明の現状から見ることができます。

しかし、このような相次ぐ事故などを見ていると、原発は人間が扱えるものではなかったのかもしれないと思わざるをえないです。
上に書いたように、運用体制と危機管理が現状不可能なら、「つなぎ」としても原発は避けるべきものなのかもしれません。
上にも書いた、原発がどんなものか知って欲しいを読むと、いくら火力発電でCO2を出そうが原発は推進するべきでないと思います。

とは言え、騒いでも出来ることがないので、おとなしく自分がするべきことでもしてます。

*1:平成19年度エネルギーに関する年次報告
*2:風力発電のメリット・デメリット
*3:『発電所』 - 原子力・火力・水力・太陽光発電などのメリット・デメリット - プラス地球温暖化
*4:福島第一原発事故で世界中に脱原発の動き
*5:原発、明暗分けた津波対策 女川は避難所に


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